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口頭

側鎖に窒素を含むアミノ酸の窒素K殻吸収端自然円二色性スペクトルの測定

泉 雄大*; 田邊 真依子*; 桃木 洋平*; 中川 和道*; 安居院 あかね; 室 隆桂之*

no journal, , 

軟X線領域における自然円二色性(NCD)スペクトルは、選択的に励起された元素近傍の立体構造を反映する。本研究では、ヒスチジンのNCDスペクトルを窒素K殻吸収端領域で測定した。不斉中心である$$alpha$$-炭素に直接結合する原子だけではなく、不斉中心から離れた原子由来のNCDシグナルも観測可能であるという他のアミノ酸についてなされた理論計算結果を定性的に実証したと結論した。

口頭

種々の基板表面におけるシリコンポリマーの配向について

Mannan, M. A.*; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 成田 あゆみ; 野口 英行*; 永野 正光*

no journal, , 

シリコンポリマーは炭素系ポリマーに比べて、HOMO-LUMO間のギャップが小さく、理想的な一次元導体として分子細線などへの応用が期待されている。一般に一次元状ポリマーの光学的,電気的特性は、ポリマーの配向に大きく依存する。そこで、本研究では、金属,半導体など、各種基板表面に、最も簡単なシリコンポリマーであるポリジメチルシランを蒸着し、その配向を放射光軟X線を用いたX線吸収端微細構造(XAFS)の偏光依存性によって調べた。シリコンK-吸収端のXAFSスペクトルにおける吸収ピーク強度は、X線の入射角によって明瞭に変化した。そのピーク強度の入射角依存性を解析した結果、金属(銅)や透明半導体基板(ITO)表面では、ポリマーが表面に垂直に"立っている"ことがわかった。一方、高配向性グラファイト(HOPG)表面では、ポリマーは表面に平行に"寝ている"ことがわかった。以上の結果から、シリコンポリマーの配向は、同一条件で蒸着した場合でも、物質の表面状態により異なることが明らかとなった。

口頭

ツインヘリカルアンジュレータを用いたXMCD測定

斎藤 祐児; 福田 義博; 竹田 幸治; 原 徹*; 白澤 克年*; 竹内 政雄*; 北村 英男*

no journal, , 

SPring-8のBL23SU(原子力機構重元素科学ビームライン)では、挿入光源をAPPLE-2型からツインヘリカル型への置き換えを行った。最近開始した1Hzの高速円偏光反転による磁気円二色性分光(XMCD)に関するテスト実験結果を行ったところ、XMCDの感度として約0.02%を達成し、これまでより一桁向上に成功した。また、元素選択的磁気履歴曲線の高精度測定についても良好な結果を得た。

口頭

リチウム$$K$$発光スペクトル分析対応平面結像型回折格子の開発

今園 孝志; 錦野 将元; 河内 哲哉; 小池 雅人; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; et al.

no journal, , 

島津製作所,日本電子,東北大学、及び原子力機構の4者で科学技術振興機構からの受託研究「産学協同シーズイノベーション化事業「ナノスケール軟X線発光分光システムの開発」(平成20年12月$$sim$$平成24年3月)」を行っている。本研究は、汎用透過型電子顕微鏡(TEM)に平面結像型球面回折格子分光器を搭載することで、リチウムイオン電池に代表される二次電池材料や次世代ストレージ材料(In, Te等)のナノスケール構造とその化学結合状態を同時分析することを目的とし、Li-$$K$$からTe-$$L$$スペクトル領域(50-4000eV)を計測するための分光光学系システム,検出システム、及びデータ収集・解析ソフトウェアをも含む一連のシステム開発を行っている。本報告では、溝形状の異なる2種類のホログラフィック回折格子(ラミナー型及びブレーズド型)で、Li-$$K$$スペクトル計測(約50eV)を主目的とする低エネルギー領域(50-200eV)用平面結像型回折格子(略称: JS50XL)の設計法,作製方法(マスタ及びレプリカ回折格子),回折効率、及び分解能測定の結果について述べる。

口頭

DV-X$$alpha$$分子軌道法を用いたヘテロ原子ドープ炭素材料のNEXAFSスペクトルの理論計算

下山 巖; 関口 哲弘; 馬場 祐治

no journal, , 

ホウ素や窒素は炭素材料の代表的な置換型ドーパントとして用いられており、これにより形成された新奇炭素材料は触媒活性を持つことが報告されている。しかし現状ではドーパントと物性との関連は不明な点が多く、ホウ素や窒素以外の元素に関する置換型ドーピングについても化学結合状態に関する知見はほとんどない。われわれはイオンビームを用いてドーピングを行った炭素材料に対してNEXAFSを用い、グラファイト的な平面構造とフラーレン的な曲面構造の異なる立体配置を持つドーパントの結合状態の存在を指摘した。NEXAFSの解釈には理論的なアプローチが不可欠であるが、これまで想定されてきたモデルは平面構造にほぼ限られており立体配置の異なる構造を網羅した研究はまだない。本研究では、DV-X$$alpha$$法を用いてグラファイト的な平面構造中と5員環を含む曲面構造中でのB, Nサイトの電子構造を比較し、NEXAFSの実験結果と整合性を持つことを初めて明らかにした。さらに、Si及びPを用いた置換型モデルクラスターについても空準位の電子状態計算結果について報告し、NEXAFSスペクトルにおいて観測される準位について考察を行う。

口頭

Site-selective adsorption of atomic deuterium on BN thin film

Koswattage, K.; 下山 巖; 関口 哲弘; 中川 和道*

no journal, , 

窒化ホウ素(BN)は炭素同様ナノチューブ構造をとるため水素吸蔵材料としての応用が提案されている。理論的には炭素材料よりも優れた水素吸着特性を持つとの報告もあるが、試料合成の問題により実験的にはまだ検証が十分行われていない。われわれは六角網面を基調としたBNナノ材料のモデル系として六方晶BN薄膜に対して重水素原子を吸着させ、その吸着特性をX線吸収分光法(NEXAFS)とX線分光法(XPS)により調べた。Ni(111)基板上にCVD法で作成したBN薄膜に対してWフィラメントで解離させた原子状重水素を反応させ、反応前後におけるNEXAFSとXPSスペクトルを測定した。その結果、NEXAFSスペクトルはB吸収端で水素との反応後面直成分の軌道ベクトルを持つ準位に大きな変化が生じたのに対し、N吸収端ではほとんど変化を示さなかった。また、XPSスペクトルはB1sピークに新しい成分が観測された。われわれは密度汎関数法であるDVX$$alpha$$分子軌道計算によりこれらのスペクトル変化を解析し、BN薄膜のBサイトに選択的に重水素が選択的に吸着したモデルによって実験結果を説明できることを明らかにした。

口頭

イメージングXAFS法の原子力研究分野への応用

岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 鈴木 伸一; 小林 徹; 矢板 毅

no journal, , 

従来のX線吸収微細構造(XAFS)測定法の拡張版として、イオンチェンバーの代わりにX線CCDカメラを使用したイメージングXAFS測定を開発した。得られた映像のフレーム抽出と輝度解析を行い、最大の特徴である位置分解能が発揮されることを確認した。次に、同技術をウラン化合物やマイナーアクチノイド化合物に対して試した。これにより、同法が原子力の燃料研究や再処理研究分野へ活用可能であることを確認した。

口頭

高分解能軟X線放射光光電子分光によるバナジウム表面酸化皮膜の熱変性分析

戸出 真由美; Harries, J.; 寺岡 有殿; 吉越 章隆

no journal, , 

水素の脱離温度特性と表面皮膜の関連を研究するために、熱処理による表面皮膜の変性過程を高分解能軟X線放射光光電子分光法で観測した。実験はSPring-8の原子力機構専用軟X線ビームライン(BL23SU)に設置した表面反応分析装置(SUREAC2000)を用いて行った。V表面をクリーニングした後、重水素イオン注入により重水素化を行った。その後、超音速酸素分子線により人工酸化膜を形成した。SR-XPSによりV-2p及びO1s光電子スペクトルを観測した。V上の人工酸化膜は、300K$$sim$$373Kの間で変性した。昇温脱離ガス分析の結果、473K付近で重水素イオンの脱離を観測した。

口頭

軟X線照射したDNA薄膜のXANESスペクトル変化

藤井 健太郎; 横谷 明徳

no journal, , 

軟X線照射によりDNA薄膜に生じる分子構造変化についての情報を得るため、照射前後でDNA薄膜のXANESスペクトルの比較を行った。試料として子牛胸腺DNA薄膜(厚み200nm)を用いた。実験は原子力機構専用軟X線ビームライン(BL23SU)において行った。窒素及び酸素K殻電離領域の単色軟X線(380, 435, 560, 760eV)を室温で照射し、照射前後でDNA薄膜のXANESスペクトルの測定を行った。得られたXANESスペクトルの差分から、照射により生じた分子構造変化について考察した。窒素K殻XANESスペクトルでは、400eV付近の特徴的な2つのピーク構造に主な変化が生じた。これらは、核酸塩基のプリンあるいはピリミジン環内の結合切断によって現れる変化であると予想される。一方、酸素K殻XANESスペクトルでは、既報の糖分子におけるXANESスペクトル変化と類似した変化が生じた。この分子構造変化は、アルデヒドやケトン基の生成であると帰属されており、DNAにおいても糖分子と同様の変化が生じていると考えられる。

口頭

XRD及びSAXS高温その場同時測定によるナノサイズ複合酸化物粒子析出条件の導出

菖蒲 敬久; Kim, S.*; 豊川 秀訓*

no journal, , 

次世代Na冷却型高速炉の炉心燃料被覆管の最有力候補材料である酸化物分散強化型フェライト鋼(ODS鋼)の優れた強度特性は、酸化物分散粒子の分布形態に大きく依存し、原料であるメカニカルアロイング(MA)粉末から再び現れる酸化物粒子の析出機構の解明と温度履歴の最適化によって強度特性の安定と向上が可能になる。本研究では、MA粉末の加熱過程における酸化物粒子析出現象に対し、放射光を用いたXRD及びSAXSを用いた酸化物粒子のその場同時測定を実施した。ここで、検出器には2次元検出器Pilatusを2台にし、XRDとSAXSを1分露光しながら時間変化を計測した。その結果、ナノサイズの複合酸化物粒子の析出が1150$$^{circ}$$C, 2hであることがわかった。当日は、さらにこの粒子の析出温度と時間の条件に関する詳細、及びXAFSの結果と合わせた析出機構に関しても報告する予定である。

口頭

放射光を用いた高温高圧水中その場ひずみ分布測定

藤城 智之; 菖蒲 敬久; 寺澤 倫孝*; 山本 厚之*; 桐山 幸治*; 中東 重雄*; 長谷川 忠之*

no journal, , 

軽水炉の炉心シュラウドや再循環系配管では、応力腐食割れによる運転停止が幾度となく発生している。そのため、SCCに関する研究がさまざまな方面から行われてきているが、実環境下においてSCCき裂が進展する際のき裂先端部の応力,結晶粒方位などを明らかにすることはその機構解明に大変重要であると考えられる。そこで本研究では、原子力発電プラント雰囲気を模擬したオートクレーブ中の試験片のひずみの時間変化が十分な分解能で計測可能かどうかを検討した。試験片には、炉心シュラウドとして近年利用されているSUS316LよりもSCCが発生しやすいSUS316を使用し、原子力発電プラント雰囲気(288$$^{circ}$$C, 8.8MPa)を模擬したオートクレーブに試料降伏点以下の引張応力260Nを負荷した状態で設置した。その結果、オートクレーブを使用することにより、SUS316特有の応力腐食割れが発生していることをオフラインによるSEM観察で確認した。一方、高温高圧水中その場測定から、環境ごとの格子面間隔の変化を観測し、さらに時効効果と考えられるひずみ分布の観測に成功した。

口頭

レーザープラズマX線源を用いた密着型軟X線顕微鏡による細胞内器官の観察

加道 雅孝

no journal, , 

これまで、さまざまな細胞の軟X線顕微鏡観察が行われて来たが、細胞内の微細構造がそれぞれどの細胞内器官に対応するのかを正確に調べられてこなかった。われわれは、窒化シリコン薄膜上に細胞を培養し、蛍光色素による染色,固定を行い、蛍光顕微鏡による撮像を行ったあと、軟X線顕微鏡による撮像を行うことにより、同一の細胞の蛍光顕微鏡像と軟X線顕微鏡像の取得に成功した。蛍光色素として、アクチンフィラメントを選択的に染色するファロイジンとミトコンドリアを選択的に染色するマイトトラッカーを用いた。その結果、蛍光顕微鏡像によって明らかになったアクチンフィラメント及びミトコンドリアを軟X線顕微鏡像においても正確に確認することに成功した。

口頭

酸化グラフェン還元過程のリアルタイムXPS観察

小川 修一*; 山口 尚登*; 穂積 英彬*; 加賀 利瑛*; 江田 剛輝*; Mattevi, C.*; 吉越 章隆; 石塚 眞治*; 寺岡 有殿; 山田 貴壽*; et al.

no journal, , 

酸化グラフェンの真空中加熱による還元過程をリアルタイム放射光光電子分光観察し、炭素原子の化学結合状態と価電子帯の状態密度の変化を調べた。C1s光電子スペクトルでは、高温加熱にしたがって、高結合エネルギー側の酸化状態に由来する成分が減少し、逆に、グラファイトに起因する成分が明瞭になってくる様子が観察された。

口頭

Ni(111)表面の超音速O$$_{2}$$分子線による初期吸着確率の運動エネルギー依存性

井上 敬介*; 寺岡 有殿; 川上 泰典*; 平谷 篤也*

no journal, , 

Ni(111)表面を超音速酸素分子線を用いて酸化し、放射光光電子分光で表面酸化状態を観察した。一連の測定は室温下で行った。超音速酸素分子線を照射し、放射光エネルギーを680eVとして、Ni3pとO1sの内殻光電子スペクトルを測定した。サンプルの表面温度が300Kの状態で一連の測定を行った。それを繰り返すことで、各分子線運動エネルギーにおける初期吸着曲線を測定した。初期吸着確率は0.3eVから1.0eVまでは増加し、2.2eVまではわずかに減少した。そして、照射エネルギー2.3eVの時急激に増加した。これらの結果は、二つのポテンシャル障壁の存在を示している。

口頭

酸化物表面における自己組織化膜形成と界面の結合状態

成田 あゆみ; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 矢板 毅

no journal, , 

次世代のデバイス材料として期待される有機薄膜に関して、有機分子を固定化する基板との化学状態を理解することは、有機薄膜の応用を考えるうえで重要である。そこで本研究では、酸化物基板上にシリコンアルコキシド基を持つ有機分子を固定化することを試み、その化学状態をX線光電子分光法(XPS)及びX線吸収微細構造法(NEXAFS)を用いて観察した。酸化物表面にはサファイア単結晶、吸着分子にはアルキル基の末端にシリコンアルコキシド基を持つオクタデシルトリエトキシシラン分子(ODTS)を用いた。その結果、Si1sXPSスペクトルからは、単分子膜の場合に現れた化学シフトから、ODTS分子のシリコンアルコキシドがサファイア表面と化学結合を形成していることがわかった。また、単分子膜のSi K吸収端NEXAFSスペクトルの偏光依存性から、ODTS分子のSi-O結合が、表面に対して垂直に位置していることがわかった。

口頭

レーザー逆コンプトン$$gamma$$線の現状とcERLでの展開

羽島 良一

no journal, , 

レーザー逆コンプトン散乱(LCS)は、レーザーと電子の衝突散乱による高エネルギー光子($$gamma$$線)の発生に用いられている。エネルギー可変かつ単色のビームを発生できる唯一の光源が、LCS-$$gamma$$線である。近年、レーザーと加速器の技術が高度化するに従い、LCS-$$gamma$$線の発生とその学術・産業利用に注目が集まっている。産業利用では、$$gamma$$線と原子核の相互作用に基づく核種の非破壊分析法の研究と、核不拡散・保障措置への応用が原子力機構を中心に進められている。われわれは、ERLを用いたLCS-$$gamma$$線源の実現を目指して、その要素技術の実証を行うため、コンパクトERL(cERL)においてLCS-$$gamma$$線の発生と原子炉燃料(模擬試料)の非破壊分析を計画している。講演では、ERLを用いたLCS-$$gamma$$線源の現状とcERLにおける展開を報告する。

口頭

酸素・窒素のK殻イオン化でDNA関連分子薄膜中に生じた不対電子種のESRによる測定

岡 壽崇; 横谷 明徳; 福田 義博; 藤井 健太郎

no journal, , 

DNA核酸塩基変異の物理化学過程の解明のため、ピリミジン核酸塩基(チミン,シトシン)薄膜のESR測定を行った。標準試料(Mn$$^{2+}$$/MgO)との比較から、軟X線照射中にのみ塩基中に誘起される不対電子の$$g$$値2.000を得た。これは自由電子の$$g$$値2.0023と明らかに異なることから、観測されたESR信号はイオン化により生じた自由電子のものではない。ESR強度の酸素及び窒素のK殻吸収端近傍の軟X線エネルギー依存性を調べたところ、X線吸収微細構造(XANES)を反映したピークが現れた。シトシンのESR強度とXANES強度を比較したところ、イオン化閾値以上のエネルギーにおいてESR強度はXANES強度よりも2倍以上大きかったのに対し、チミンの場合はほとんど変わらなかった。これらのことから、シトシンはチミンと比べて内殻励起・イオン化による不対電子収率が高いことが示唆された。同じピリミジン塩基においてこのような違いが生じた理由は、シトシンの場合、内殻イオン化によって生成した正孔に加えて、光電子やオージェ電子の付着の結果生じるアニオンラジカルを一緒に検出しているためであると考えられる。シトシンはDNA塩基変異過程において、電子の一時的な貯蔵庫の役割を果たしていることが推測される。

口頭

酸素K殻共鳴励起によりプラスミドDNA中に生成する鎖切断,塩基変異及びAPサイト

菅谷 雄基; 白石 伊世; 椎名 卓也; 藤井 健太郎; 横谷 明徳

no journal, , 

DNA分子中の酸素の1sイオン化閾値以下の共鳴準位エネルギー(532.8eV)とその前後(530.0及び534.9eV)を照射し、鎖切断,塩基変異及びAPサイトの定量を行った。試料には、プラスミドDNA(pUC18)を用い、乾燥させたDNAフィルムに対して真空中で軟X線照射を行った。ピリミジン塩基損傷,プリン塩基損傷及びAPサイトの検出は、それぞれNth, Fpg, Nfoの3種類のDNAグリコシレースで処理することでSSB(single strand break)に変換した後、アガロースゲル電気泳動によるコンフォメーション変化の観察を行った。閉環状構造のプラスミドDNAは、SSB, DSBの生成によりそれぞれ開環状構造、直鎖状構造へとコンフォメーションが変化するため、泳動後のゲル上のバンド濃度として簡便に定量することが可能である。得られた結果は、いずれのエネルギーにおいてもSSB収率がイオン化閾値以上(560eV)の既報値とほぼ一致したのに対し、Nth, Fpg, Nfoで検出される塩基損傷、APサイトの収率はイオン化閾値以上で得られている値と比較して極めて低かった。塩基変異の生成に、DNAあるいは配位水の酸素の完全なイオン化が必要であることが示唆された。

口頭

レアアース単離を目的とした配位子錯体の構造

小林 徹; 矢板 毅; 塩飽 秀啓; 鈴木 伸一; 岡本 芳浩

no journal, , 

近年ハイテク機器材料としてNd, Dyなどのランタノイドが注目されている。これら機器の高度化に伴い、高純度ランタノイドの需要も高まってきていると言える。しかしながら、ランタノイドは、通常の条件においては、原子価が3価であり、そのイオン半径も近いことから、特に隣り合うランタノイド間の分離は特に難しいことが知られている。そこでわれわれのグループでは、構造的に比較的リジッド部位を有するため、ランタノイドのわずかなサイズの差を認識する新しい配位子PTAを合成し、そのランタノイド錯体の構造特性を放射光XAFS及び単結晶構造解析により明らかにした。その結果、MePhPTA錯体の構造は、Smより軽いランタノイドと重いランタノイドで異なり、互いに鏡像体の関係にあることが明らかとなった。このことは、結晶化を通じてNd-Smを境界に2つのグループに分離できることを示しており、同時に隣り合うNdとSmを高い分離係数で分離可能であることを示唆している。

口頭

多素子SSDを用いたエネルギー分散型X線回折測定

片山 芳則; 齋藤 寛之

no journal, , 

大容量プレスを用いた高温高圧X線回折実験において、バックグラウンドを除去するために、シャープなスリットが使われる。このため、回折角を固定したまま測定できるエネルギー分散型X線回折実験が使われる。しかし、液体や非晶質で広い波数範囲の測定を行うためには、角度を変えた測定を多数行う必要がある。本研究では高温高圧下の液体金属水素合金の構造測定を効率的に行うことを目的に8mm角の4つの素子が直線状に並んだ多素子SSD(キャンベラ製)を用いた。バックグラウンド散乱の除去のために、同じ中心を見込む4本のコリメーターを放射型に配置したものを作成した。実験はSPring-8のBL14B1ビームラインに設置したキュービック型マルチアンビルプレスで行った。多素子SSDの動作確認,放射型スリットの性能評価と位置の調整方法の開発を行い、同時測定が行えることを確認した。

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